遠**た
万人受けはしないかもですが、
名画です。しかし、登場人物に共感性を持てないと面白く感じない方にはオススメ出来ません。この映画の映像は全編を通して陰鬱な雰囲気が流れており、それは決して高尚な闇ではなく、人間の、街の、低俗で泥臭い汚れです。デニーロ演じる主人公もまた、その闇に立ち向かうような自意識を持ちますが、彼もまた孤独な闇を抱えています。しかしながら主人公の奥底に流れる孤独=闇は、この時代・この背景の限定的なものというより、時代を超えて「人間」の根源的な孤独な在り方と感じます。その人物像は、どこかカミュの異邦人という小説の主人公を想起させます。混沌としたアメリカで、薄汚い人間達に囲まれながら、この時代・この街の中で狂気に染まっていくという表面的なストーリーの中に、主人公トラヴィスの時代を超えた孤独・狂気をよく炙り出しています。それは言うまでもなく、スコセッシの映像と、何よりデニーロの演技があってこそ成功したものだと思います。この映画を観る時、表面的な気持ち悪さ、生理的嫌悪感を催す映像の中に、一人の人間=トラヴィスの冷えた孤独を見つめて鑑賞すると、この映画の評価が納得できるものになるかもしれません。ラストシーンである「目」の演技はさすがの一言です。
ト**パ
Scorseze=スコルセーゼ? スコーシージ? スコセッシ?
『タクシードライバー』(Taxi Driver)('76)出演∶ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ジョディ・フォスター、ハーヴェイ・カイテル、ピーター・ボイル、アルバート・ブルックス、レナード・ハリス、ダイアン・アボット、スティーヴン・プリンス、マーティン・スコセッシ、ハリー・ノーサップ、ヴィクター・アルゴ、 ジョー・スピネル、リチャード・ヒッジス、ナット・グラント監督∶マーティン・スコセッシ1970年代というのはアメリカ映画にとって、色んな意味で大転換期だったと思う。『フレンチ・コネクション』『ダーティ・ハリー』の大ヒットで刑事アクションものが定番ジャンルとして定着。『ゴッドファーザー』『バラキ』でマフィア映画が大流行。『エクソシスト』『オーメン』でオカルト映画がメジャー・ジャンルに昇格し、『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』『エイリアン』でSF映画が"お子様映画・B級映画"のイメージを脱却してドル箱大作の目玉になった。1960年代後半〜1970年代前半、アメリカ映画界には"アメリカン・ニューシネマ"と呼ばれる一大ムーブメントがあった。世界的な反戦運動、人権運動、差別反対の風潮の中、反体制的な人物やアンチヒーロー、ダーティ・ヒーローを主人公とする作品がもてはやされた。『俺たちに明日はない』『真夜中のカーボーイ』『卒業』『明日に向って撃て!』『イージー・ライダー』などがヒットして一時代を築いた。だがニューシネマ時代の諸作品には、かつて映画が娯楽の王様だった時代のような娯楽大作感や単純明快なヒロイズム、痛快さに欠けるものが多かった。その反動だろうか、1970年代〜'80年代になると前記のような様々なジャンルに娯楽性を求めるようになり、スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、ジェームズ・キャメロンら後の超大物監督が登場し、SF超大作・冒険大活劇などのメガヒット作を連発するようになり、今に至る。この『タクシードライバー』は、ニューシネマ時代とメガヒット娯楽大作時代の端境期に出現した異端的傑作だと思う。'70〜'80年代のアメリカ映画の多くは、ベトナム帰還兵の様々な問題を扱った"ベトナム戦争後遺症映画"的な側面があったと思う。『タクシードライバー』は、どこか異常性を孕み、狂気と正義感の狭間で常軌を逸した行動に走る帰還兵が、異常犯罪者とヒーローの境を駆け抜ける問題作だ。[物語] アメリカ、N.Y.。ベトナム帰りの元海兵隊員トラヴィス・ビックル(デ・ニーロ)は除隊後、極度の不眠症に苛まれ定職に就けずにいた。小さなタクシー会社に定職を求め、治安の悪い地区もいとわない夜勤シフトの運転手となる。麻薬や売春、暴力のはびこる街の住人たちを嫌悪しながらも客の選り好みはせず、売上げは上々だった。眠れない昼間はポルノ映画館で漫然と過ごす。ある日、トラヴィスは次期大統領候補パランタイン上院議員(ハリス)の選挙事務所に勤務するベッツィ(シェパード)に魅かれ、彼女をデートに誘う。徐々に親しくなる2人だったが、トラヴィスはつい習慣でベッツィをポルノ映画館に連れて行き、激怒させてしまう。選挙事務所に押しかけて、彼女をなだめようとする彼だが、けんもほろろで相手にしてもらえなくなる。トラヴィスの心はすさんでゆく。そんなトラヴィスのタクシーにローティーンと思しき少女売春婦アイリス(フォスター)が逃げ込もうとするが、ヒモの男スポーツ(カイテル)に強引に連れ戻される事件が起きる。それを契機に彼は闇ルートの拳銃を数丁手に入れ、ストイックで狂気じみた射撃訓練と肉体強化の日々にのめり込む。そんなある日、食料品店で強盗事件に出くわした彼は反射的に犯人を撃ってしまう。度重なる強盗事件に辟易していた店主は、拳銃所持の許可証のないトラヴィスを密かに逃がす。何かがハジけたトラヴィスは、前腕部に忍ばせた拳銃が素早く手のひらにスライドして収まる装置を装着すると演説中の大統領候補に近づくが、護衛官に怪しまれて逃げ出す。街で再び売春婦アイリスに出会った彼は客を装って近づく。家出して、やくざ者のスポーツに食い物にされている彼女に、売春をやめるよう説得するトラヴィスだが、彼女は現状から抜ける意志はない様子。だが、狂気をはらんだ正義感に囚われた彼は……。現在80歳を越した名優ロバート・デ・ニーロは『ゴッドファーザー PART II』でアカデミー助演男優賞を獲って以来、都合8回同賞ノミネートの常連だが、本作で初めて主演男優賞にノミネートされている。(初受賞は数年後の『レイジング・ブル』だが…) 彼はのちに役作りで体重を大きく増減させたり、髪をごっそり抜いたりで有名になるが、本作での肉体鍛錬ぶりにもその片鱗が……。腕力で体を浮かせた瞬間に両手で1拍手する腕立て伏せ、マネしたなぁ…(笑)脚本のポール・シュレイダーは、京大や同志社大で教鞭を取った大学講師でもある兄レナードと共作の『ザ・ヤクザ』(主演:ロバート・ミッチャム、高倉健)で脚本家デビューした人。スコセッシ監督とは『レイジング・ブル』『最後の誘惑』でも組んでいる。兄レナードは、日本語でも脚本が書ける人で、『太陽を盗んだ男』『男はつらいよ 寅次郎春の夢』などの日本映画や米・ブラジル合作『蜘蛛女のキス』も手掛けている。そういえば、スコセッシ監督が頭角を現した頃、イタリア系のその名前"Scorsese"の読み方が日本ではマチマチで一定しなかった。イタリア風にスコルセーゼと表記する配給会社や英語風にスコシージと読ませる会社があって困りものでした。(実際、アメリカでも英語風に読む人もいるようです) その後、本人の主張(?)で"スコセッシ"に統一されたようですが……(笑)あと、この映画で忘れてならないのは少女娼婦役で大いに話題になった13歳のジョディ・フォスターだろう。この時のセンセーションはよく覚えているが、まさか彼女が大人になってからあれほどの大物女優になるとは思いませんでした。この映画を最初に見た時、単純に傑作だとは思ったが、いま改めて見ると未来のハリウッドをしょって立つ稀有な才能のかたまりでしたね。
K**R
孤独という病
主人公のトラヴィスは戦争の帰還兵であり、社会になじむことができないままに、暗殺を計画したが、棚から牡丹餅的に英雄になってしまう。昨今では要人に対する暗殺(未遂)事件が何度か発生しているが、犯人の心境もトラヴィスのように、孤独をこじらせて、深い理由もなく暗殺に臨んでしまったのだろうか。
イ**ヌ
若い頃のスコセッシとデ・ニーロが創り上げた傑作
画面を流れる信号機、タクシーのフロントガラスに着いた雨粒とスローモーションの風景。言葉だけで表す小説には絶対に出来ない映像ならではの深い感覚の表現。これこそが映画です。加えて小説は著者一人だけの視点しかありませんが、映画は脚本家、演出家、役者、撮影者、編集者等々、様々な人間の視点が交わった総合芸術で、言葉、文字の何億倍、何兆倍もの情報量があるので表現力の深さが正に桁違いなのです。ですから小説の映画化は星の数ほどあるけど、その逆はあり得ないのです。私はそれを知ってしまった13歳から小説は読まなくなりました。劇中、トラヴィスのタクシーに乗ってきて「妻を殺してやる」と云っていたのは監督のスコセッシです。途中でトラヴィスの髪が短くなったり、長くなったりするのはご愛敬。13歳にして売春婦を演じたジョディ・フォスターとヒモを演じたハーヴェィ・カイテルも何を演じても巧いですよね。シビル・シェパードも役にはまっています。今では古典ですが、名作、傑作に古いも新しいもありません。凄い暴力描写はありますが、それでも強くお勧めします。一度ご覧になってみてください。
砂**。
全体的にけだるい。
ベトナム戦争から帰還した病んでしまった男ならではの視点ってやつだろうか。他者さまの解説を見たら、なんとなく意味を理解した気になれるが、面白いのは最初のほうだけだった。全体的にけだるい。
た**ち
高品質で短納期しかも安い。
ありがとうございました。
A**ー
名作です!
この作品は何度も観ていますが見るたびに解釈が変わって新しい発見があります!ラストの銃撃シーンは痺れます!
A**A
素晴らしい
タクシードライバー 1976年ロバート・デ・ニーロ出演作品です。既に語り尽くされていると思うので一言。「ロバート・デ・ニーロの迫真の演技」に尽きると思います。
Trustpilot
5 days ago
3 weeks ago