Deliver to DESERTCART.JP
IFor best experience Get the App
Full description not available
M**A
ドキュメントとしても
著者の赤裸々な生き方は、リアルです。この社会の一断面をするどくスケッチしています。読み物としてもドキュメントとしても非常に面白い。
浪**人
意外に好感持てた
山口氏の存在は以前から知っていた。 私は元々、野村秋介や鈴木邦男、針谷大輔といった新右翼の人間たちに関心があったし 全て共感する わけではないが、贔屓目に見ている。 この著書は山口氏のこれまでの自叙伝であるが、いじめられっ子だった彼が合気道をはじめ、キックボード族、右翼、ホストなど様々な体験が赤裸々に書かれていて面白い。 だいたい右翼本やアウトロー本には著者の本当か嘘か分からない武勇伝が自慢気に書かれていて 正直読んでいて気分が悪くなることがあるが 山口氏には そのような気負いがない。 むしろ己の弱さを正直に話している。高校時代の友人が、かつての不良仲間に絡まれ袋叩きにされても立ち向かう度胸がなかったなど。 だいたい右翼の人間なんて虚勢を張り 弱い人間に対しては威圧的になるのが大半だ。山口氏はそんな人間ではないし、精神病院のボランティアを経験したという経歴から見ても、非常に心根の優しい持ち主であることがわかる。 ホスト時代には さすがに女性を食い物にする非情さを見せるものの 心のどこかに罪悪感を持ち続ける。山口氏に対しては批判もあるだろうが 私は 心の奥に人一倍の優しさを持つ彼に好感を持った。 国の為といいながら 所詮は己の欲望を発散させ、それを美化させることしか考えていない右翼が大半の中で 彼の存在は輝かしいばかりだ。 私は浅沼事件のテロリスト山口二矢や 見沢知廉よりも この山口祐二郎氏の方が好きである。 もちろん、過ちは数多く繰り返してきたかも知れないが、それらを反省し、己の弱さと向かい合って 前進する彼を私は右翼というより、ひとりの人間として 好感を持つ。 凝り固まった思想の人には彼の著書はオススメしないが、なんとなく右翼の若い人って どんなものなのか?と興味がある方にはオススメです。
ア**郎
読後、あらためて著者がまだ27歳というところに愕然
2007年に市ヶ谷の防衛省に火炎瓶を投げ込んだ右翼青年のことは覚えている。その当時の報道で職業が日経新聞の新聞配達員となっていたからだ。この職業と事件のつながりが、すぐに中上健次の「19歳の地図」を思い起こさせた。これが強く印象に残っている。そしてそんな事件も忘れてしまっていたところでこの本を読む。その時の右翼青年の自叙伝。自叙伝といっても、著者はまだ27歳。美と共同体と東大闘争 (角川文庫) 統一戦線義勇軍はいわゆる新右翼。55年体制後のいわゆる右翼とは一線を画する。その主張はざっくりといえば反米愛国。自民党に対してもどちらかといえばアンチ。現在のネット右翼の主張とも相容れない。むしろ戦前の右翼の主張にたいへん近い。そもそも新右翼の成り立ちからして、三島由紀夫の自決に触発されたものであるから、非常にロマン主義的である。その三島由紀夫は70年安保で空前の勢力となった全共闘相手に「諸君が天皇と一言いえば一緒に戦うことができる」と言い切ったくらい戦後右翼思想の脈絡から決定的に決別している。筆者が防衛省に火炎瓶を投げたのも、当時の自民党政権(第一次安倍政権)の久間防衛省が「原爆投下はしかたなかった」という発言をしたことから。自叙伝の前半は、その統一戦線義勇軍に参加するまでの生い立ちなのだが、これがすごい。学校になじめないいじめられっこが武道を習い、ほとんど狂気スレスレで一人で夜な夜なサラリーマン相手に喧嘩を売りつける。ほぼ思いつきぐらいでバンドをはじめて新聞奨学生になるも、その契約をめぐって日経新聞と日々因縁をふっかける。やがてヤクザになりたいと右翼を志願したのが統一戦線義勇軍。防衛省に火炎瓶を投げ込んだ事件の後、精神病院のボランティアを勤めてから、新宿のホストへ。このホスト体験談が強烈すぎる。現在では右翼サイドからの反原発運動、そして著書には書かれていないが新大久保などの差別主義者に対抗する。本当だかわからないくらいに、あまりにドロドロとした内面とそこから吹き上げて来るような体験談続いていく。自分はあまりマンガは読まないのだが、読後にいてもたってもいられない焦燥感を感じるあたりは『宮本から君へ』(新井英樹)に似てなくもない。ただし、こちらの主人公はあそこまでお人よしではない。さらに、新宿のホストになったあたりは、またもや中上健次の物語サーガの登場人物のようだ。そして現在は反差別のスタンスで在特会などのネット右翼の行動派に対抗をしているあたりも、まさしく中上健次ワールドだ。読後、あらためて著者がまだ27歳というところに愕然とする。久々に完全に打ちのめされた。いや、この本・・・というよりこの著者すごいですよ。
K**L
こんな男が・・・ほんとにいたんだ!
あとがきには、このようにあります。「恥ずかしいことを沢山してきた。多くの方々に迷惑をかけてきた」と。不良、謎の通り魔、右翼、ホスト、ニート、反原発ハンストなど、著者が経験してきた事柄を言葉として列挙すれば、「なんとバカなことをしているのか」と思うことはかんたんなことかもしれません。しかし、一読して、「バカなこと」をしてこなかったはずのこちらが打ちのめされます。その「バカなこと」のそれぞれの局面で、著者の周りには著者を支え、ときには叱り、心配して親身になってくれる多くの人間がいること。それは、破天荒で反抗的な自画像とは裏腹に、著者には人を惹きつける魅力があるからではないか、と。事実、精神病院でのボランティアの際には、病院のスタッフから「優しいのね」と評価され、「閉鎖病棟も大丈夫そうね」などと信頼されている(225〜226頁)。大人になってから実は自分がそれを切望していることに気付きながら、それが得られない生き方を選択していることを自覚して、今更ながら(安全な場所から)後悔しているという、「バカなこと」をしてこなかった「まっとうな」大人は多いのではないかと(含む私、ってか、むしろ私)。しかし、本書は、読者を打ちのめすだけではなく、一つの筋道を照らしてくれてもいます。著者は、これまで武道の修行に打ち込んだり生き方に迷ったりした際と変わらぬ筆致で、反原発に身を投じた様子を記述します。そう、「変わらぬ筆致」で。外から眺めていると、右翼的な政治主張とは一見すると真逆かとも思われかねない選択を、著者は、<これまでと同じように>苦悩しながら、迷いながら選び取っていきます。その意味で、<選択>は、依然として私の前に開かれていることが、本書から教えられたことでした。いつの日か、著者と同じ戦線に肩を並べられる日がくることを遠くに見つめながら・・・
?**?
祐二郎さん さいこー
おもしろいです、おっかないです、時には吐き気もします、もったいなくて一気読みできません。祐二郎さん さいこーです!
Trustpilot
3 days ago
1 month ago